寄り添う心とは・・・

職業訓練校での授業が終わり、キャリアコンサルティングも終わった。

何度も経験しているが、同じ答えがあるわけではない。

訓練性が抱えている問題は一人一人異なる。

その中で就職に行き詰まり、再就職を目指して受講している。

精神的に行き詰って会社を辞めて来られた方、あるいは正社員であったが

育児のため、やむなく辞めざるを得なかった方、これまで専業主婦だったが、

育児から解放されて就職準備のために来る方など様々である。

 

職業訓練校といえども慈善事業ではない。

訓練生が何人就職できたかが、次期の訓練受託につながるからである。

 

キャリアコンサルタントは、その間に入って就職支援を行っていく。

決して企業側だけの思いに立ってはならない。かといって訓練生の受講目的

が技術習得だけであり、経済的に困ってなくて就職しないとの考えに、

「あ、そうですか」とだけ相槌を打ってばかりではダメで喚起が必要なのである。

 

訓練の最後には訓練性から無記名によるアンケートを「巡回指導員に取られる。

・講師はどうだったか

・キャリアコンサルタントはどうだったか

・キャリアコンサルティングはどうだったか

・施設には課題はなかったか　等など

 

私は標準のキャリアコンサルタント資格しか保有してない。

しかしながら、これまで課題を指摘されたことは１回足りとない。

 

講師はほぼ訓練期間中、訓練生と毎時間顔を突き合わせているが、

私は３回のキャリアコンサルティング時と朝の挨拶時だけである。

この間で信頼関係を構築していかなければ、ほとんどの訓練生が就職することなく、

技術習得に満足して訓練を終えるに違いない。

 

ある教室での訓練生のアンケートに

キャリアコンサルタントが「威圧的であった」「訓練校のことばかりを気にして

全く私たちに寄り添ってくれなかった」「就職しろ、応募しろ」との掛け声高く、

「私たちの話を最後まで聞かず、最後には怒った風な言動があった」

など、多々なる記載があったと巡回指導員に聞いた。

 

このキャリアコンサルタントは２級のキャリアコンサルティング資格を有しており、

熟練者の位置づけにあった。

このように考えると資格とは何ぞや？との疑問を持つのである。

上級の資格を持っている方が決して「上手い」訳ではない。勉強をされて理論には

強いかもしれない。しかしながら最低限の資格保有であっても、それなりに自己研鑽を積み、

日々クライアントの問題に一緒になって取り組んでいるのである。

 

クライアントから見れば、そのようなキャリアコンサルタントにこそ相談したいと思うのでは

なかろうか。

信頼関係が構築できれば、後は本人に任せておけば自発的に行動を起こしてくれると信じて

やまないのである。