震災を思う

２４年前の今朝、大学の受験勉強のため息子を5時に起こし、私と家内は愛犬を連れてまだ暗い散歩に出かけたのである。ほぼ1時間かけて散歩するのが日課となっていた。自宅を出て後1キロ足らずのところまできた。いつも平坦なところから山手の方へ歩いて行き下ってくるのである。下手の方から何やらゴーと不気味な音が聞こえてきたなと思うや否や、グラグラグラとすさまじい揺れに二人ともしゃがみこんでしまった。大型トラックで出勤しようとされていた方が慌ててトラックから降りてきて「今のは地震ですか？　誰か私のトラックを揺すったのかと思った」とのこと。誰があんな大きなトラックを揺すれるか？とは後になって思ったものだ。それよりも自宅は大丈夫か？息子たち（下は高1でまだベッドの中の筈）は大丈夫だろうか？　心配でいたたまれず二人と愛犬も駆け足で帰った。家は大丈夫だった。勉強中の息子は平然として勉強に取り組んでいたが、２Fで寝ていた次男は流石に飛び起きて窓を開けたらしい。結局我が家は何ともなくて済んだ。通勤はというと、通常乗る筈のJR（大和路線）は動いてない。近鉄は？　情報が入ってこない。まずは会社へ電話しなければ・・・。今のように携帯電話があるわけではない。当然公衆電話をかけるべく、探し当てると行者の列。そこへまたもやグラグラグラっと、生きた心地がしないとはこういうことか。電話すれど会社にはつながらず、仕方なく近鉄の駅まで３０分歩く。電車は遅れながらも何とか走っている。だが押せや押せやで超満員。大阪に近づくに連れ、いつもの風景がおかしい。窓ガラスは落ちているやら、塀が崩れているやら。当然地下鉄は動いてない。、会社までまた歩く。途中の歩道もガラス片や塀の崩れなどがある。建物の下を歩くにも上を気にしながらである。いつ窓ガラスが降ってくるか分かったものではない。やっと会社に着くとパソコン（当時はブラウン管画面）が机から床に転げ落ちている。ロッカーやキャビネットは倒れている。会社に来ている人材も限られている。徐々に情報が入ってくる。ニュースで飛び込んできたのは神戸の建物が跡形もなく崩れ落ちているし、高速道路が道路の形を失っている。そしてた火災が発生し何日も消化できなかった。多くの方が尊い命を落とした。生き残られた方は不安の日々を過ごし、少しの揺れにもトラウマとなり、それを乗り越えてやっとここまで生きててこれたのである。この教訓を絶対に忘れてはならない。代々後々に引き継いでいくことが大切だと思う。